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大震災をシミュレーション その7 避難所編

20XX年 7月24日 午後10時50分

体育館のどこかで子供が泣いています。

余震がたびたび起こる恐怖と、いつもと違う環境に不安を覚えているからでしょうか。

どこかで子供が泣くと、他の子もまた泣きだします。

泣き止んだ子がいるかと思えば、また別の子が泣き出します。

ついには桃ちゃんも泣き出しました。

「おい!いいかげんにしろよ!」

近くで年配の男性が大きな声を出しました。

「だまらせろ!」

その言葉はひどくミケちゃんの心にショックを与えました

「子供なんだから仕方ないでしょ!」

どこかで親御さんが言い返します。

「誰だ! 今言ったのは!でてこい!」

さきほど怒鳴った男性が立ち上がったのをきっかけに、周りの大人たちが仲裁にはいりました。

 

しばらくして、大人たちが話し合い、小学校の一部の教室を開けて、小さい子供がいる方たちはそちらで集まって休むことになりました。

ミケちゃんと桃ちゃんも移動します。

007_バイバイ

心配そうに見ていたクロちゃんに桃ちゃんはバイバイと手を振っていました。

ミケちゃんは逆にクロちゃんは一人で大丈夫かなと心配になりました。

 

20XX年 7月25日 午前9時30分

007_廊下を歩く

次の日の朝、クロちゃんは子供たちがいる教室を見に行きました。

体育館を出て、校舎に入ると明るい子供たちの声が聞こえてきます。

泣いている子もたくさんいますが、楽しく遊んでいる子供たちもたくさんいます。

体育館と校舎でこんなに雰囲気が違うことに驚きました。

 

体育館では朝ごはんを配るときに騒ぎが起こりました。

並んだ人の分だけ渡すと最初に決めて配ったのですが、家族の分も欲しいと要求する人が多数いたため、途中から切り替えたところ、用意していた朝食が足りなくなり、混乱が起きました

また、体育館に入れず外で一夜を過ごした人達は、中の人だけ優先して食べているのではないかと疑う人もいたようです。

お昼の炊き出しを早めに行うことにして、いったん騒ぎは落ち着きました。

ですが、クロちゃんは居心地の悪さを感じ、桃ちゃんとミケちゃんに会いに来たのでした。

 

桃ちゃんを見つけるとクロちゃんは近寄って、

「桃ちゃん、おはよう!ママは?」

と聞くと、

「桃ちゃんのママは今は受付の係りのお仕事してますよ。」

と他のお母さんが教えてくれました。

 

子供の面倒を交代で見て、ママさんたちも避難所の運営に協力しているようでした。

実はクロちゃんも朝、自分に何かできることはないかと申し出たのですが、

怪我をしている人は少しでも休んで早く良くなってくださいと断られていたのです。

運動神経と体力に自信があったクロちゃんは、

自分が何の役にも立てない今の状況に落胆していました。

 

一方、受付のミケちゃんは、

次の日になってもたくさんやってくる避難者の人達に驚いていました

007_受付をする

避難者の方たちがくると名簿に名前や住所を書いてもらい、

家族と離れ離れになってしまった人は、体育館の入り口横の壁に家族への伝言を書いて張り出すようにと紙とマジックとガムテープを渡していました。

(こんなにもたくさんの人が避難所にやってくるんだ。。)

 

ミケちゃんは悩んでいました。

自宅の壁に亀裂が走っていたこと、

近所で火事が起こったことで不安を覚え避難をしましたが、

火事はもうこの近所では発生していないとのことでした。

また、壁の亀裂についても建築に詳しい人に聞いてみると、

建物の基礎や重要な柱に問題がなければ大丈夫

内壁のヒビだけならほとんど問題ない」と言われたのです。

 

また、昨夜のことも思い出し、避難所にいると環境の変化などから桃ちゃんにストレスがかかるのではとも思いました。

さらに、子供が食べている食べ物を奪って逃げて行った大人がいるとの噂も聞き、避難所にいるよりも自宅に戻って在宅避難をすることを決意しました。

 




避難所では、想定よりも多くの避難者がきてしまい、パニックが起こることもあります。

人がたくさんいる場所では、助け合うことができ安心できる反面、パニックなどが起きるとさらなる事故になる場合もあります。

また、不正確なうわさも飛び交うこともあります。

非常時とはいえ、周りの人に配慮し冷静な行動を心掛けましょう。

また、けが人の手当てや炊き出しの用意、その他にもやることはたくさんあります。

みんなで協力し合って準備しましょう。

 

ただでさえ、普段とは違う非常時。

環境の変化から、身体的、精神的ストレスは計り知れません

小さなお子さんや、高齢者などはさらにツラい状況かもしれません。

可能であれば在宅避難をしましょう。

今回、ミケちゃんは火事が近くで起きたこと、家の内壁のヒビについて知識がなく不安になってしまったことから避難所へやってきましたが

桃ちゃんのためにも、自宅に戻る決意をしました。

大震災をシミュレーションその7