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その11 大震災をシミュレーション 在宅避難編

20XX年 7月26日 午後17時50分

桃ちゃんは少し前にぐずったせいか疲れて眠ってしまっていました。

ミケちゃんは桃ちゃんが起きないように、小さな音でラジオをつけます。

メモとペンも用意します。

ライフラインの復旧についての情報や、明日の給水車のやってくる時間や場所などを知りたかったのです。

011_みけちゃん、メモを取る

ラジオでは、元気になるような音楽をいくつか流してくれいました。

(あ、この曲、学生の頃よく聞いたなぁ)

それを聞くと、すこしミケちゃんはホッとしました。

そして、自分がすごく気が張っていたことを再認識しました。

そのあと、被災地の人達への応援メッセージを聞くと、なんだか涙がでてきてしまいました。

 

ガタン!

突然、庭のほうで音がしました。

(え?!ミケ夫くん?でも、なんで庭から?)

 

ガサガサガサガサ!

何かをあさるような音がします。

(!! まさか!)

被災地では、一部の心ない人達によって火事場泥棒が横行しているという噂が立っていました。

 

ミケちゃんは怖くなってしまい、寝ている桃ちゃんのそばでほうきをもって身を小さくしていました。

音がしたほうの窓を見ると、なにかがごそごそと動いています。

バン!

突然、その音の主が窓をたたきました。

011_犬登場

音の主は、ワンちゃんでした。

飼われていた犬が、飼い主とはぐれて野犬化したのか、

エサを求めているようでした。

何か上げたいとは思ったのですが、居つかれてしまっても困ると思い、

無視することにしました。

しばらくすると、窓からは見えなくなりました。

でも、今度は玄関のほうで音がします。

 

ガタガタ、ギィ。。。

 

(え!?入ってきちゃったの?)

「だめよ、ワンちゃん。あげられるものはないのよ。」

そう言って、ミケちゃんは玄関のほうへ行くと、

そこに立っていたのは、

ミケ夫君でした!

 

「ミケ美!」

「あなた!」

 

びっくりしすぎてミケちゃんは立ち尽くしてしまいました。

「大丈夫か?けがはない?桃は無事か?」

「うん」

「ごめんな、なかなか帰ってこられなくて」

「ううん」

「今朝、都心で電車が復旧したから、途中までは電車に乗って、あとは歩いて帰ってきたんだよ」

「うん」

ミケちゃんは、嬉しさと驚きのあまり、ほとんど何も言えません。

ただただミケ夫君の身体に抱きついて、ミケ夫君のいう事を聞いていました。

 

ミケ夫君の声に気付いたのか、桃ちゃんが起きてきました。

「ぱぱー!ぱぱー!」

「桃!!良かった!」

ミケ夫君は、満面の笑みで桃ちゃんを抱き上げました。

 

「どうして、伝言ダイヤルを使ってくれなかったの?」

「携帯を落としてしまって、出来なかったんだ。」

公衆電話の無料開放は?」

「あぁ、それは途中で見かけたんだけど、大混雑で時間がかかりそうだったし、お前の番号を覚えてなかったから、とにかく早く帰ってこようと思って。。ごめんな。」

「もう、心配したんだよ」

「うん、ごめんな」

「いいの、無事で帰ってきてくれたから」

011_全員集合

 

 

ミケ夫くんが帰ってきてくれて、めでたしめでたしでしたね!

ミケちゃんとクロちゃんの震災シミュレーション、いかがでしたか?

ここまで読んで、少しでも防災意識がたかまってくれた方がいたら嬉しいです。

 

ところで、東日本大震災のとき、すべての居住エリアでNTT東日本の通信ビルが復旧したのは4月末だったそうです。(東日本大震災における復旧活動の軌跡より参考 https://www.ntt-east.co.jp/info/detail/pdf/shinsai_fukkyu.pdf)

津波があったから地震だけの災害よりも被害が大きく、復旧に時間がかかったのだと思いますが、

それにしても家族との連絡手段を断たれた人達の不安な気持ちは計り知れないです。

 

災害で離ればなれになった時の連絡先として一番に思いつくのはNTTの伝言ダイヤルだと思います。

伝言ダイヤルについての使い方は『その3 大震災をシミュレーション』に詳しく書いたので、そちらをご覧ください。

 

伝言ダイヤルは毎月1日と15日にテスト利用ができますので、ぜひご家族の方と一緒に一度やってみることをお勧めします。

また、各携帯電話会社が提供する伝言板というのもあります。

こちらについても一読しておいたほうよいでしょう。

災害が起こってから調べればよいやと思っていると、携帯の電池がなくなってしまうこともあります。

備えあれば憂いなしですので、

ぜひ、事前に読んでおきましょう。